ロイは悩んでいた。
バレンタインデーにリザから貰ったチョコのお返しの事である。
本当はチョコまみれの自分にリボンをかけて
「私自身がプレゼントだ!」としたいところだが
そんなことをすれば彼女に撃たれかねない。
(それにチョコで火傷しかねない)
他の女性へのお返しはもう既に入手済みだ。
あとは本命だけ――
リザは凝った物よりもシンプルな物を好む。
「さて…」
ホワイトデーまであと2週間…
大佐が変だ…
ロイの部下達は皆同じことを考えていた。
普段サボりがちなロイが真面目に仕事をしている…
その光景はハボックをはじめとする部下一同に恐怖すら与えた。
「中尉…大佐がサボらずに仕事をしてます」
「そういえばそうね」
「もう一週間もですよ!?」
「別にいいんじゃない 害はないんだし」
「不気味っすよー!何か心当たりないんですか?
大佐が変なもの食べたとか」
(そういえば…)
最近しきりにロイが彼女のホワイトデーの日の予定を
訊いてくるのをリザは思い出した。
「あーこの世の終わりだー!」
リザの後ろで部下の叫ぶ声が響いた。
ホワイトデー当日
リザは司令部に着くとハボックたちからお返しを受け取った。
本当は非番だったがロイに呼び出されたのだ。
今日はロイも非番のはずなのに。
ちょっとで終わるから私服でいいと言われたので軍服は着てない。
約束の時間までけっこう余裕がある。
「毎年どうも有難うございます!」
義理チョコとはいえ毎年確実に貰える相手がいるのは嬉しい。
「別にお返しはいいのに」
「そんなわけにはいかないですよ!」
「ところで大佐は?」
「女の子達へのチョコのお返しを渡しに回ってますよ」
毎年持って帰るのが大変なくらいチョコを貰っているロイだ。
お返しをするのも大変に違いない。
そういうマメさが女性にもてる一因なのかもしれない。
そして一時間後リザはロイがいる執務室に向かった。
「何か御用ですか?」
ロイは軍服ではなく私服姿だった。
「はい ホワイトデーのプレゼント」
ロイは一通の封筒を差し出した。
「? 有難うございます」
「今開けたまえ」
「?」
リザが不思議に思いながら封筒を開けると
中には綺麗な一枚のカードがあった。
そのカードにはロイの字でこう書いてあった
『今日一日ロイ・マスタングを独占できる権利』
リザは思わずぷっと吹き出した。
「…子供じゃあるまいし…」
「気に入らなかったか?」
ロイが不安そうな顔をした。
何か特別な物をあげたかった。
お金では買えない特別な物を。
思いついたのがこれだった。
この一日のために仕事を頑張って終わらせた。
貴重な一日を仕事で終わらせないために。
「いいえ 最高のプレゼントです」
リザは微笑んだ。
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あとがきもどきをぼやく
ホワイトデー記念小説!ロイアイひゃっほー!
二つもプレゼント貰っているねリザさん!
小説そのものは大阪へ出発する前日に書きました。
公開日時が指定できるので14日に自動アップ!
便利だ これ。
本当はバレンタインの時も小説書きたかったんだけどねぇ…
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